イベント情報EVENT
2025.05.23(金)
セミナー・フォーラム
ナカノシマ大学 2025年 5月講座
平川克美(実業家・文筆家)
平川克美が肉声で語る
「町工場で育つ」ということ
「工場の街で生きる少年マル」は、
まぎれもなく昨日のあなたでもある。
講 師: 平川 克美(実業家・文筆家)
開催日 |2025年5月23日(金)
会 場 |大阪府立中之島図書館 3階 多目的スペース2
時 間 |18:00 ~ 19:45(受付17:30から)
受講料 |2,500円(小学生以下1,500円)
定 員 |60名
申込み |公式サイトからのみ
https://nakanoshima-daigaku.net/seminar/article/p20250523
主 催 |大阪府立中之島図書館指定管理者ShoPro・長谷工・TRC共同事業体
企画協力|ナカノシマ大学事務局(株式会社140B)

「工場の街で生きる少年マル」は、まぎれもなく昨日のあなたでもある。
平川克美さんは、グローバル資本主義が行き詰っていく時代の中で「立ち止まって考える」ことの大切さを伝え続けてきました。著書の数々は21世紀を生きる私たちの「羅針盤」としてロングセラーとなっています。
平川さんの最新刊として話題を集めている半自伝的小説『マル』。1950年代から今日まで生まれ育った東京・蒲田や東急池上線沿線が舞台です。
「町工場のせがれ」であるマルが体験した出来事の数々は、東大阪や堺、大正区などの「ものづくりの街」で育った人にもきっと共通するエピソードであり、「労働や命を軽んじる社会は衰退する」という平川さんのスタンスは、町工場での生活の中で培われてきました。
「ものづくり」が曲がり角に立つ今、平川さんの「言葉」に触れる価値はとても大きいと思います。ぜひ。
平川 克美(ひらかわ かつみ)
1950年東京・蒲田生まれ。75年早稲田大学理工学部卒業。77年渋谷区道玄坂にアーバン・トランスレーションを内田樹と設立。2001年(株)リナックスカフェを設立。株式会社ラジオカフェ代表取締役。立教大学客員教授、早稲田大学講師。品川区中延の[隣町珈琲]店主でもある。著書に『反戦略ビジネスのすすめ』『株式会社という病』『小商いのすすめ』『移行期的混乱』『俺に似たひと』など。ナカノシマ大学は2011年2月、2012年6月に続いて、3回目の登壇。
〈講師・平川克美さんからのメッセージ〉
小田嶋隆と初めて会ったときも詩人の伊藤比呂美と初めて会ったときも、私は同じ匂いを感じ取った。
皆、職人の子だからである。「平川さん、工場で育って良かったでしょ」と伊藤比呂美は言った。
何が良いのかわからないが「私もそうなのよ」という顔をしている。
確かに、工場で育つというのは、一般の家庭で育てられるのとは少し違う。昼間は玄関に鍵をかけない。近所のおばさんや爺さんが勝手に入ってきて用を足している。住み込みの若い衆と一緒に食事をする。だからいつもあけっぴろげで、プライベートな空間はほとんどない。工場には捨てるほどの人情噺はあるが本がない。文化がない。
工場育ちの職人の子が「文学」に出会うとどうなってしまうのか。それについて語ろうとしたら一冊の小説になった。
大阪にも私と同じような「町工場育ち」の人がたくさんいると思う。
ナカノシマ大学でお会いするのが楽しみだ。